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第45回 DXにより業務改善を。限られた経営資源を高付加価値業務へ③

前回までに

中小企業は業務改善のために、まずバックヤードのDXを進めていきませんかということを提案させていただきました。

また、簡単なものとして、インターネットバンキング販売管理ソフトの導入を紹介しました。

今回は、経費精算給与計算について検討してみましょう。

 

経費精算に時間がかかっていませんか?

現場で経費が必要になった時、その場にいる社員さんがそれを立て替えて支払い、それを後日精算することになると思います。

通常の経費精算のフローとしては、

■経費発生

現場で経費が発生して社員さんが経費を立て替えて領収書を保管します。

■精算書作成

立て替えた経費を請求するために、領収書を添付した精算書を作成します。経理担当者が作成しているかもしれません。

■上司の承認

上司や責任者が精算書の内容や正誤を確認します。

■精算

立て替えてくれた社員さんの給与に加算して振り込んだり、または直接振り込みます。

■会計入力

精算書の内容を会計ソフトに入力します。

 

こんな感じ、またはこれによく似たになるのではないでしょうか。

 

経費の精算書を作成したり、給与に加算したり、会計ソフトに入力したりするのがちょっと面倒ですね。

仕方なくやっている作業ではありますが、できればどうにかしたいところです。

 

もし、経費精算をする社員さんが毎月10人以上いる場合や、経費精算書の作成に時間がかかっているようであれば経費精算ソフトを導入されてはどうでしょうか。

立て替えた経費をそれぞれがスマホアプリに入力して、総務あてに送信するだけで大幅に作業が削減できます。

 

ただ、「確かに経費精算はしょっちょうあって面倒だけどお金をかけてソフトを導入するほどではないよ」という会社も多いはずです。ウチもそうです。

 

そういう会社は、経費精算というフローを全くなくしてしまうということを考えてみましょう。

それは会社で契約したクレジットカードプリペイドカートを経費精算をする社長や役員、各店舗ごと、経費立替が多い社員さんに持たせておくことです。

カードの利用明細が精算表になり、精算表の作成や精算が不要になります。

(もちろん領収書やレシートは必要です。)

 

ちゃんと内容を確認していないと不正が起こってしまう可能性がありますので、厳しくチェックをする必要はありますが、ずいぶん楽になるのではないでしょうか。

DXではないですが、アプリなどを使わなくても業務改善はできますよ、ということでした。

 

 

給与計算に時間がかかっていませんか?

給与を払っていない会社は恐らくないと思いますので、ある程度の人数になってきたらぜひDXを検討していただきたいです。

 

給与計算の標準的なフローは

■勤怠管理

各社員さんが出勤退勤の際にタイムカードに打刻して、勤務時間を計測する。

■勤怠集計

日々の勤怠データを集計して、月間の勤務時間や残業時間を計算する。

■給与計算

残業手当の計算などをする。

給与振り込み

金融機関に給与振込の依頼をする。

■明細書配付

給与明細を印刷して、各社員さんに配付します。

■会計入力

会計ソフトに入力します。

 

このような感じのフローになると思います。面倒なことがめちゃくちゃ多いですよね。

 

まず、タイムカードを集計するのが面倒です。

紙のタイムカードを集計している方もおられますし、Excelでデータをはき出すことができたとしても操作が担当者しか分からないという状況になってしまうのではないでしょうか。

それから、そのデータを基に時間給の方の給与や残業代を計算しますが、これも大変です。

一人一人の給与額が計算できれば、社会保険料や源泉税を控除して振込額を計算します。

そして、それを銀行に振込依頼をします。ひとりひとりのデータを記載(紙の場合)したり入力する(インターネットバンキングの場合)のは面倒ですし、チェックも重要です。

最後に、給与明細を紙に印刷して折りたたみ、封筒に入れて社員さんに配ります。

 

これをソフトを導入するとどうなるか。

タイムカードの集計は勤怠管理ソフトが自動でやりますし、給与計算は給与計算ソフトがやってくれます。

銀行への振込依頼データを給与ソフトが作成してくれるので、インターネットバンキングで取り込めば入力・チェックの必要がありません

給与明細は、社員さんが各自でクラウドサービスにログインして確認することができるので配る必要がありません。

 

どうですか?めちゃくちゃ手間が省けます。

また、これらの仕事は会社からするとブラックボックスになっていて、もし担当者が急病や退職で対応できなくなってしまったらどうしていいか分からなくなってしまっているのではないでしょうか。業務の一部でもいいのでDXしていれば最小限のマニュアルがあれば誰でも対応できるようになります

もしもに備える意味でも、ぜひとも取り入れていただきたいと思っています。

 

以上、いろいろなバックヤードの効率化、DXを提案させていただきました。

これは、単純にコスト削減だけのことではありません。

DXによって手の空いたバックヤードの人員を一部でもいいのでお客様への付加価値業務へシフトしていっていただきたい、そしてその結果得られた利益を社員の皆さんに還元・分配していただきたいという思いで提案させていただいています。

 

また、バックヤードのDXは業務を早く、楽に、正確にしますので、毎月の数字を出すのも早くなるはずです。

経営をしていくにあたっては数字を見ながら打つべき手を考えていくものですから、早く手を打つために早く数字を出せたほうがいい。

そういう意味でもDXは、経営を変えていくと思います。