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経営コラム玉島で“ええ会社”をつくるには? 社員と利益を両立する「高収益体質」経営のススメ
2025.10.17 | 月次決算書
「うちの会社、黒字にはなっとるけど…なんでかお金が残らん」
「社員にもっと給料を出してやりたいけど、なかなか厳しいんよ…」
そんな想いを持ちながら、日々の経営に奔走している社長さん。
ここ倉敷市玉島には、昔ながらのものづくり、物流、建設など、地に足のついた会社が多くあります。
そして今、そうした地域密着型の企業にも求められているのが、
「高収益体質」+「人を大切にする経営」です。
社員のためにも、自分のためにも、そして地元の未来のためにも。
今回は、玉島の社長さんにこそ知っていただきたい「強い会社の条件」を、わかりやすくご紹介したいと思います。
「ええ会社」って、どんな会社ですか?
「ええ会社」の定義は人それぞれです。
でも、こんなふうに思われる会社なら、きっと誰もが働きたいと思うはずです。
- 給料がちゃんともらえる会社
- 社長が社員を気にかけてくれる会社
- 家族に「いい会社だね」って言ってもらえる会社
そのためには、やっぱり会社がしっかり儲けていることが大前提です。
では、その儲かる体質って、具体的にどういう状態だと考えられていますか?
3つの指標でわかる、高収益体質の会社
玉島のような地域に根差した会社でも、以下の3つの条件を満たしていれば、高収益体質の会社ということができ、「利益も出せて、社員も大切にできる会社」に近づけます。
①損益分岐点比率が80%以下
②社員1人あたりの経常利益が250万円以上
③社員の一人あたり給与が平均年齢の15倍以上
① 損益分岐点比率が80%以下
損益分岐点比率は、会社がどれくらい儲かっているのかを把握するための「収益性」の指標です。
この比率は、固定費を粗利益額で割って計算します。
例えば…
- 売上高:1,000万円
- 粗利益額:600万円
- 固定費:480万円
→ 480 ÷ 600 = 損益分岐点比率80%
これが95%とか98%だと、少し売上が落ちただけで赤字になってしまいます。
80%以下というのは理想の数字ではありますが、毎年少しずつ改善していく目標にしていただけるといいのではないかと思います。
② 社員1人あたりの経常利益が250万円以上
経常利益を社員数で割った「1人あたりの経常利益」も大事な指標です。
なぜなら、会社全体の利益だけでは、規模が違えば比較にならないからです。
例えば・・・
- A社:社員10人、経常利益2,500万円 → 1人あたり250万円
- B社:社員50人、経常利益1億5,000万円 → 1人あたり300万円
どちらも効率がよく、「無駄なく稼げている会社」だといえます。
③ 社員の一人あたり給与が平均年齢の15倍以上
年齢当たりの給与倍率は、きちんと社員さんに給与を払えているかどうかを見る指標です。
この倍率が低い場合は、仮に①②の数字が良くても、それは社員さんを犠牲にして会社の利益を出しているだけの状況です。
たとえば、社員の平均年齢が40歳だとすると…
40歳 × 15倍=600万円の年収
これくらい払えている会社は、社員に感謝され、辞めずに頑張ってくれる会社といえますね。
この数値の根拠は、公務員の給与です。
▼参考データ(令和6年度)
倉敷市職員(一般行政職)
倉敷市が公表している「人事行政の運営等の状況(令和6年度版)」によると、
一般行政職の給与水準は次のとおりです。
- 平均年齢:43.6歳
- 平均給料月額(基本給):336,730円
- 平均給与月額(諸手当を含む):419,769円
- 期末・勤勉手当(年間平均支給額):約1,535,000円
このデータを基に単純計算すると、
419,769円 × 12か月 + 1,535,000円 = 約6,572,000円(平均年齢の約15.1倍) となります。
出典:倉敷市公式サイト「人事行政の運営等の状況(令和6年度)」
https://www.city.kurashiki.okayama.jp/cityinfo/recruit/1011801/1002526.html
岡山県職員(一般行政職)
岡山県人事委員会の「令和6年 職員の給与等に関する報告及び勧告」(令和6年10月7日公表)によると、
県職員(一般行政職)の給与水準は次のとおりです。
- 平均年齢:43.0歳
- 平均給与月額(諸手当を含む):370,943円
- 特別給(期末・勤勉手当)の年間支給月数:4.60月分
(前年の4.50月分から0.10月分の引上げ)
このデータを基に単純計算すると、
370,943円 ×(12 + 4.6)= 約6,159,000円((平均年齢の約14.3倍)) となります。
出典:岡山県人事委員会「令和6年 職員の給与等に関する報告及び勧告」
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/941131_9026014_misc.pdf
参考:岡山県公式ページ「職員の給与・定員管理等」
https://www.pref.okayama.jp/page/detail-20004.html
これらのデータから、年齢×15万円以上を出せる会社=公務員と同等の待遇ということです。
玉島で「倉敷市役所や岡山県庁ぐらい給料が良い会社」があれば、それだけで採用にも社員定着にも大きなアドバンテージになります。
社員を大切にする経営が、じつは一番儲かる
人件費は「コスト」ではなくて、「目的」です。
- きちんと給料が払える
- 社員が安心して働ける
- 家族も安心して送り出せる
そんな職場は、社員が本気で会社のために動いてくれます。
逆に「給料が低い」「将来が不安」と思われたら、せっかく育った人材も辞めていってしまいます。
人を大切にする会社は、自然とお客さんからも信頼され、数字もついてくるのです。
玉島だからこそ、“ええ会社”の価値がある
玉島は、地元の人間同士のつながりが強いまちです。
社員の家族や友達、同級生まで“ウワサ”が伝わりやすい地域でもあります。
だからこそ、
- 「○○建設さんは給料がいいらしい」
- 「○○製作所さんは社員を大切にしてるって聞いた」
こんな声が採用にも取引にもつながっていきます。
社員に優しい会社は、地域に愛される会社になる。
これは、都会にはない玉島の強みです。
まとめ
玉島で「ええ会社」をつくるには、この3つの条件を意識しましょう。
高収益で高給与だと判断することができるでしょう。
- 損益分岐点比率を80%以下に
- 社員1人あたり経常利益を250万円以上に
- 社員の年収を年齢の15倍以上に
これはいずれも大変な数字ではありますが、決して大企業だけができる話じゃありません。
地元の中小企業でも、着実に見直していけば、社員に選ばれ、お客様に選ばれる会社になれます。
「ウチはどうだろう?数字で見たことないな…」
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