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経営コラム

月次決算は完璧でなくてOK!スピード経営に月次決算資料を活かそう|倉敷市・玉島の中小企業応援ブログ

2025.05.30 | 月次決算書

「月次決算で経営を管理しよう」と言われても、「うちは無理…」と思っていませんか?

また「月次で決算を出して経営管理するのが理想」と聞いても、

  • 「変動費と固定費を毎月出すなんて無理!」
  • 「そもそもそんな時間ない!」

と思われていないでしょうか?

実際、多くの中小企業経営者が「月次決算は時間も手間もかかって大変」と思い込んでいます。

でもご安心ください。

実は月次決算は、完璧でなくても大丈夫

スピード感を持って、経営のかじ取りに必要な「最低限の数字」が見られていれば、それが正解なんです。


月次決算の本質は「スピードと傾向把握」

なぜ月次決算が必要なのか? 答えはシンプルです。

月次決算を行うことで、

  • 売上が増えているか?
  • 利益率はどうなっているか?

といった経営の基本的な健康状態が毎月わかるようになります。これにより、年に1回の決算だけでは手遅れになるような経営判断を、リアルタイムに行えるようになるのです。


精密さよりも「ざっくり・スピーディ」が重要

実は、月次決算に必要なのは正確性ではありません

確かに年に一度の決算のときにつくる決算書(損益計算書・貸借対照表)は正確さが必要です。1円でも間違えることは許されません。
しかし、月次決算で使用する数字にはそこまでの正確性は必要ありません。 傾向が正しく把握できれば、「1円のズレ」なんてどうでもいいのです。

・月次P/L(損益計算書):いま事業が儲かっているかどうか

・月次B/S(貸借対照表):会社の財務状況がどうなっているか

・月次C/F(キャッシュフロー計算書):お金の流れ

これらの資料は税務署や銀行に提出するものではありません。

経営者や幹部だけが理解できればよく、また、経営のかじ取りに使うものと考えれば仮に数万円計算が違っていたとしてもほとんど影響はないですよね。

これらを大きな傾向だけでも把握できる形で出せれば十分といえます。

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変動P/Lを使った超シンプルな月次決算

5項目だけで利益体質が分かる

おすすめは、変動P/L(変動損益計算書)の作成です。項目を5つに整理して経営状況を確認します。

売上高・変動費・粗利益・固定費・経常利益

すっきりさせることで、会社の状態がどうなっているのかが分かりやすくなります。ここで難しく感じるのは、費用を変動費と固定費とにわけることです。これができれば、あとは簡単です。

  1. 【売上】
  2. 【変動費】…材料費、外注費など売上に比例するもの
  3. 【粗利】=売上-変動費
  4. 【固定費】…人件費、家賃、水道光熱費など毎月かかるもの
  5. 【経常利益】=粗利-固定費

変動費と固定費の分け方も簡単!

実務上のステップは次の2つだけ。

ステップ1:変動費を先にざっくり決める

仕入高・材料費・外注費など、売上に比例する費用を変動費として決めましょう。

難しいことは考えないのがポイントです。

ステップ2:固定費は「ならす」

変動費以外の経費はすべて固定費と考えます。簡単ですよね。

また、固定費は「ならす」ことが重要です。

例えば、減価償却費。決算にいっぺんに計上していませんか?

減価償却費は予定額を12で割って毎月計上します。

例えば、社会保険料。月末が休日だと払われないですが、経費に入れていますか?

社会保険料は払っていなくても金額が大きいので未払い計上します。

例えば、賞与。払った月だけ経費が計上されていませんか?

賞与は去年の実績、あるいは見込額を12で割って毎月計上します。

こういった処理をすることによって毎月の固定費を平準化していきます。


まとめ:完璧を目指すより、まずは始めよう!

月次決算は「完璧を目指すこと」よりも「まずは始めること」が大切です。
完璧を目指して始められないより、概算でいいから動き出すほうが、ずっと価値があります。

経営改善において、数字を「見る習慣」は非常に大事です。
1回限りの分析ではなく、毎月ざっくりでいいから続けることが、経営力をじわじわと底上げしてくれます。

  • 今月の粗利率はどうだったか?
  • 先月に比べて固定費は増えていないか?
  • 売上高経常利益率は改善しているか?

こんな会話が社内でできるようになったとき、会社の地力は確実に上がっています。

「スピード重視」「ざっくりでOK」——そんな気持ちで、まずは1ヶ月分から始めてみましょう!


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