C

o

l

u

m

n

経営コラム

玉島の企業必見!『儲かる体質』は損益分岐点比率で見える|倉敷市・玉島の中小企業応援ブログ 

2025.05.16 | 未分類

「なんとか黒字だけど、この先も大丈夫なんかな…」
「最近、売上が少し落ちただけで資金繰りがキツくなってきた…」
そんな声を、私たちは倉敷市・玉島エリアの中小企業の社長さんたちからよく耳にします。

なんとか利益は出ているが、他の企業に比べてどうなの?
設備投資や人件費を増やす余裕がない。
いざという時に使える蓄えも少なく、将来の不安が募る。
 

これらは決して経営者の感覚だけではなく、数字としても“表れている”ことがほとんどです。

でも、実はこうしたモヤモヤや不安を、はっきりと数字で見える化できる指標があります。
それが、今回ご紹介する「損益分岐点比率」という指標です。

聞き慣れない言葉かもしれませんが、この数字を知れば、
「自社は今どれくらい儲かっているのか?」
「どれだけ頑張れば黒字になるのか」

「どれだけ売上が減っても赤字にならないのか」
といったことが、驚くほどクリアにわかります。

数字が苦手な方にも分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
きっと、あなたの会社の未来を見直すヒントが得られるはずです。


玉島の会社が注目すべき「損益分岐点比率」とは?

「損益分岐点比率」という言葉、聞き慣れないかもしれませんが、じつは経営の収益性を測るとてもシンプルな指標です。

簡単にいうと、会社が生み出した「粗利益」に対して、毎月かかる「固定費」がどのくらいかを示す数字のことです。


計算式はこうなります:

損益分岐点比率(%)= 固定費 ÷ 粗利益

この数字が何を意味するかというと、会社がどれだけ稼げる体質になっているかということ。

  • 損益分岐点比率が低ければ低いほど、「利益が残りやすい会社」=収益性が高い会社になります。
  • 逆に、損益分岐点比率が高いと、収益性が低い会社となります

また、この比率は会社の経営体質をチェックする上で非常に有効な共通のものさしで、なんと業種に関係なくすべての会社の収益性を表すことができます。

私たち税理士法人エイコーでは、玉島エリアの企業支援を行う中で、この指標が経営の「強さ」や「耐久力」を測るうえでどれほど役立つかを何度も実感してきました。

見えにくい経営の課題を「数字で見える化」する。
これこそが、地域企業がこれからの時代を生き抜くための第一歩だと考えています。


損益分岐点比率で見る経営体質

では、実際にこの「損益分岐点比率」がどれくらいなら良い状態といえるのでしょうか?

私たちは、これまで多くの玉島の企業を見てきた中で、以下のような目安を設けています。


地元企業こそ“経営安全率”を知っておくべき理由

損益分岐点比率とあわせて注目していただきたいのが、「経営安全率」という指標です。
これは、会社にどれだけの「経営の余裕」があるかを数字で示すもので、計算式はとてもシンプル。

経営安全率(%)= 100 − 損益分岐点比率

たとえば、損益分岐点比率が90%の会社であれば、経営安全率は10%。
これはつまり、販売価格を変えずに販売数量が10%減っても、赤字にならずに済むという意味になります。

ここが重要なポイントです。
「売上が減っても大丈夫」とよく言われますが、正確には、単価が一定であることが前提です。
単価を下げてしまった場合や、大口値引きをしてしまった場合には、この安全率の見方はあてはまりません。


なぜ玉島の企業に「安全率」が必要なのか?

玉島のように、地元との長い取引関係の中で堅実な経営を続けている企業は、急激な売上アップよりも、継続的に安定した経営を目指しているケースが多いものです。
しかし近年では、景気の変動や業界構造の変化により、販売数量の減少がじわじわと業績に影響を与えるケースが目立っています。

だからこそ、「数量が減ったときに、自社はどこまで耐えられるのか?」を把握しておくことが、非常に重要になってきます。

経営安全率を知っておけば、

  • 販売が一時的に鈍っても冷静に対処できる
  • 金融機関との対話にも説得力が増す
  • 従業員にも安心感を持ってもらえる
    といった経営上の“見えない安心材料”になります。

「収益性」+「耐久力」を知ることで、次の一手が打てる

損益分岐点比率は「儲けやすさ」、
経営安全率は「変化に対する耐性(=経営のタフさ)」を示す数字。

この2つを合わせて知ることで、会社の体質を正しく把握できるようになります。

玉島のような地域密着型の企業にとって、目先の売上ではなく、
「長く、安定して続ける経営」のために、こうした数字の視点は欠かせません。


玉島の企業が目指すべきランクとは?

では実際に、損益分岐点比率の数字をどう活かしていけばいいのか?
ここでは、目標とするランクを明確にして、段階的な改善ステップをご紹介します。

まず、ご自身の会社の損益分岐点比率を確認してみてください。
それに応じて、目指すべきゴールが見えてきます。


まずは90%を目指そう

玉島エリアの多くの中小企業では、損益分岐点比率が91%以上となっています。
つまり、「売上がほんの少し減っただけで赤字に転落する可能性がある」という綱渡りの状態で経営を続けているのです。

しかし、だからといって、いきなり60%や70%を目指す必要はありません。
まずは現実的な目標として、90%を目指すことから始めてみてください。

このラインを下回ると、

  • 売上が多少下がっても耐えられるようになる
  • 投資や人件費にゆとりを持てるようになる
  • 将来の計画が立てやすくなる
    といった変化が、数字にも気持ちにも表れてきます。

数字はウソをつきません。
90%を切ることができれば、会社の経営体質は確実に改善に向かっている証拠です。

経営にゆとりが生まれると、攻めの姿勢に転じることもできるようになります。
逆に、比率が高いままだと、どれだけ社長が頑張っても報われにくい構造が続いてしまいます。

ぜひ、まずはご自身の会社の損益分岐点比率を計算してみてください。
そして、まずは90%を「見える目標」として、一歩を踏み出してみましょう。


比率が 85〜90% の場合

次は85%を3年以内の目標に!

少しずつ余裕が出てきた状態ですが、まだ油断はできません。
ここで大切なのは、粗利益の構造を見直し、固定費を徐々に圧縮していく仕組みを整えることです。


比率が 80%未満 の場合

Sランク企業の仲間入り!

販売数量が2割落ちても赤字にならない。つまり、経営の安定感が極めて高い状態です。
これは、従業員・金融機関・取引先からの信頼にもつながる、玉島でも数少ない地元の誇りともいえる存在です。


今どこにいるのか?がわかれば、どこに向かうべきか?も見えてくる

損益分岐点比率は、単なる数字ではありません。
それは、「会社の立ち位置」と「未来の地図」を教えてくれる重要な指標です。

まずは現状を知ることから始めましょう。
そして、焦らずに一歩ずつ、目指すランクへと歩みを進めてください


まとめ

損益分岐点比率と経営安全率は、経営者にとっての経営の体温計のようなものです。
感覚や勘に頼るのではなく、数字という確かな根拠で自社の状態を把握できることは、大きな安心材料になります。

特に玉島の企業は、長年の取引先や地元との信頼関係を大切にしながら、堅実に経営を続けている会社が多いのが特徴です。
だからこそ、派手な成長よりも「地に足のついた経営」を目指すために、こうした数字のチェックは欠かせません。

今のままで大丈夫なのか?
未来に備えた経営ができているのか?
その答えは、損益分岐点比率が教えてくれます。

数字を知ることは、会社を守るだけでなく、社員の生活と地域経済を守ることにもつながります。
これからの経営に、ぜひ数字の視点を取り入れてみてください。



「うちの会社の損益分岐点比率、実際どれくらいなんだろう?」
「そもそもどうやって計算するの?」
そんな方のために、無料で損益分岐点比率診断レポートをお渡ししています。

  • 数値の確認や改善アドバイスまで無料でご対応します
  • 経営に役立つ資料として、そのまま社内共有も可能です

まずは、今の経営の体質を知ることから始めましょう。

気になる方は、お気軽にご連絡ください。
倉敷市・ 玉島の企業を応援するパートナーとして、私たち税理士法人エイコーがお手伝いします!