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左側は逆三角形・右側は富士山型?経営を安定させる貸借対照表の基本|倉敷市・玉島の中小企業応援ブログ
2025.05.23 | 貸借対照表
「毎年ちゃんと黒字なのに、なぜか会社にお金が残らない…」
そんな違和感や不安を抱えている中小企業の経営者さんは、実は少なくありません。
「うちは儲かってるはずなのに、資金繰りがいつもカツカツ」
「借入ばかりが増えて、会社に余裕がない」
もし、そんな状況に心当たりがあるなら、それは単に利益の問題ではなく、会社の財務体質に原因があるのかもしれません。
特に倉敷市玉島エリアでは、現場中心でまじめに事業を続けてきた企業ほど、日々の経営が忙しく、「財務の中身」まで手が回らない…という声も多く聞かれます。
実は、会社にお金が残らない最大の理由は、貸借対照表(B/S)の形がいびつになっていることにあります。
経営の体質改善を図るには、まず会社の「健康診断書」であるB/Sを読み解くことが大切だと考えています。
今回は、利益が出やすく、資金にも強い企業体質に変えていくためのB/S改善の基本的な考え方を、わかりやすくお伝えします。
B/Sは会社の「健康診断書」〜財務体質を見直す第一歩〜
経営者にとって、B/S(貸借対照表)は単なる残高集計表ではありません。
まさに「会社の健康診断書」というべきものです。
数字の裏には、会社の今の体質がはっきりと表れています。
たとえば、人間でも「見た目は元気そうだけど、検診で内臓にリスクが…」なんてことがありますよね。会社も同じで、「利益は出てるのに、資金繰りが厳しい」「黒字なのに借入に追われる」といった状態は、財務体質に問題があるサインかもしれません。
ところが実際には、多くの中小企業では損益計算書(P/L)ばかりを見て、B/Sは後回しにされがちです。
「今期いくら儲かったか」「売上は昨年より伸びたか」といった短期的な指標に目が行きがちですが、これだけでは本当の経営の健康状態は見えてきません。
特に倉敷市玉島エリアの地場企業では、職人気質の社長さんや、現場第一の経営スタイルを大切にしている方が多いため、「数字より仕事」が優先されてしまう傾向があります。
ですが、どんなに現場が頑張っても、土台であるB/Sが弱ければ、会社は長持ちしないのです。
重要なのは、B/Sを「読める」ようになること、そしてあるべき形に「整えていく」こと。
健全なB/Sをつくるには、一気に変えるのではなく、常にチェックをして中長期的な視点で少しずつ体質改善していく姿勢が大切です。
無駄な固定資産を減らし、現金を厚くしていく・・・これが将来の危機にも耐えうる会社づくりの第一歩になります。
「B/Sの左側は逆三角形」!!現預金が厚い「筋肉質」な財務体質へ
では実際に、理想的なB/Sとはどんな形なのでしょうか?
それは、B/Sの左側(資産)を「逆三角形」に整えることです。
本来の貸借対照表は、上に流動資産(現金・売掛金など)、下に固定資産(土地・建物など)が配置されています。
この「上が厚くて、下が細い」つまり、上部(流動資産)が多く、下部(固定資産)が少ない形を「逆三角形のB/S」と呼びます。
これは、言い換えればお金に換えやすい資産が多く、いざという時にすぐ動ける“筋肉質”な会社ということです。
こんな状態、思い当たりませんか?
- 借入して買った土地があるけれど、ほとんど活用していない
- 古い機械をずっと帳簿に載せたまま
- 売掛金が増え、現預金は減る一方
- 付き合いで買ったゴルフ会員権・投資信託が多額
これらはすべて、「逆三角形」とは真逆の重たく動けないB/S(富士山型)になってしまっている証拠です。
固定資産は「持つ」より「活かす・減らす」が基本
固定資産、とくに土地や建物などは、帳簿上は資産でも実際には現金化しづらく、税金や維持費だけがかかる“重たい資産”です。
地域の中小企業では、「いずれ値上がりするかもしれない」「いざという時の財産だ」という理由で抱えていることも多いですが、本業に活かせない資産は思い切って手放して現金化することも大切です。
現預金を厚くし、流動性を高めることで、資金繰りに強くなり、日々の経営判断もスムーズになります。
逆三角形B/Sは、いざという時の「頼れる筋肉」
現金があるということは、借入に頼らずに投資や採用ができるということです。
つまり、チャンスに強く、リスクにも対応しやすい会社になるのです。
この「逆三角形」の体質づくりは、一度で完成するものではなく、日々の経営判断の積み重ねです。
少しずつでも、固定資産の見直しやキャッシュの確保に取り組むことで、会社の財務体質は確実に変わっていきます。
右側は「安定した富士山型」を目指す〜強い会社は借金に依存しない〜
貸借対照表の右側、つまり「負債」と「純資産」は、会社の資金の調達方法を表しています。
ここで目指したいのは、どっしり安定感のある富士山の形です。
これはつまり、短期的な借金に頼らず、利益をしっかり内部に貯めていく健全な会社ということ。
毎年の利益をコツコツ積み重ねていくことで、純資産が厚くなり、会社の「地盤」が強くなっていきます。
借入依存のB/Sは砂の上の城
たとえば…
- 常に短期借入で回している
- 資金が足りなくなると、とりあえず借りる
- 自己資本が薄く、金融機関の評価が不安定
こうした状態は、一見うまく回っているようで、実は非常に脆いものです。
金利の上昇、業績のブレ、金融機関の方針変更――ちょっとした変化で、資金繰りが一気に崩れてしまう可能性があります。
とくに倉敷市のような地域では、設備投資型の業種(製造業、建設業など)が多く、つい借入に頼りがちです。
ですが、「借りたお金」に頼る経営から、「自分の力(利益)」で支える経営へと、発想を切り替えることが大切です。
内部留保=会社の筋力
ここで言う「純資産」とは、過去の利益を蓄えた「内部留保」でもあります。
内部留保が厚くなると…
- 金融機関の信用が増す
- 借入なしでも成長投資が可能になる
- 景気の変化に耐えられる余力ができる
つまり、会社が倒れにくく、成長しやすくなるというわけです。
富士山のようにどっしりとした構えのあるB/Sは、どんな荒波にも動じない地に足のついた経営につながります。
「返す力」を持つ会社が、選ばれる時代へ
昨今、金融機関も「いかに利益を出しているか」より、「どれだけ安定して返済できる体質か」を重視する傾向があります。
その意味で、右側を富士山型に整えることは、融資を受けやすくする最強のアピール材料でもあるのです。
自己資本比率を高めよう〜会社の地力をつける一番の指標〜
貸借対照表(B/S)を整えていくうえで、最終的に目指すゴールの一つが、「自己資本比率を高めること」です。
この自己資本比率とは、
自己資本比率(%) = 純資産 ÷ 総資産 × 100
というシンプルな計算式で、会社全体の中で、どれだけ自前の資金(利益の蓄積)で経営しているかを示すものです。
高ければ高いほど、強い会社
たとえば、自己資本比率が20%の会社と60%の会社。
どちらが安定していて、金融機関から見て「安心して貸せる」と思われるでしょうか?
答えは当然、後者です。
自己資本比率が高い会社は、次のような特徴を持っています:
- 外部の借入に依存せず、自社の判断で経営できる
- 資金調達がしやすく、金利も優遇されやすい
- 景気変動や災害・コロナなど突発的な事態にも耐えやすい
つまり、自己資本比率の高さは「会社の地力」そのものなんです。
倉敷市・玉島の企業にも「守りの強さ」が必要な時代
地元の中小企業では、「攻めの投資」や「売上拡大」に力を入れる経営者が多い一方で、財務的な守りは後回しにされがちです。
しかし今の時代は、何が起こるかわかりません。
業種を問わず、「地に足をつけた強い体質づくり」こそが、これからの企業の生き残り戦略になります。
その第一歩が、自己資本比率の改善なのです。
では、どうやって高めていくのか?
無理に一気に変えようとしなくても大丈夫。以下のような積み重ねが大切です。
- 毎期、しっかり黒字を出し、利益を残す
- 配当よりも内部留保を優先する
- 必要のない借入は極力減らす
- 固定資産の見直しで総資産をスリムにする
こうした一つひとつの積み重ねが、やがてしっかりとした会社の“芯”をつくることになります。
まとめて言うなら…
左側(資産)は軽く、右側(純資産)は重く。
これが、利益を残せる会社、金融機関からも選ばれる会社、そして社員が安心して働ける会社の形です。
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