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経営コラム

倉敷市玉島の中小企業経営者の方へ 決算賞与ってそもそも何?出すべきかどうか迷ったら読む記事

2025.06.13 | 給与・賞与

「決算も近いし、決算賞与でも出そうかと思ってるんだけど…実際どうなの?」
これは、倉敷市玉島でお付き合いしている中小企業の経営者の方々から、よくいただくご相談です。

今回は、決算賞与とは何か?という基本から、通常の賞与との違い、さらに出すべきかどうか考えるポイントまでを、経営者の視点でお話しします。


決算賞与とは?

決算賞与とは、会社の決算にあわせて支給される賞与(ボーナス)のこと。
業績が良かった期に「頑張ってくれた社員に報いたい」という経営判断で出されることが多いです。

当社のお客様でも、「数字を見ながら、今年は出せそうかどうかを判断したい」というご相談を毎年のように受けます。


通常の賞与との違い

項目通常の賞与決算賞与
支給時期年2回(夏・冬など)決算期末ごろ
支給基準評価や給与規定に基づく経営判断・業績による
継続性毎年出すのが前提出すかどうかは毎年判断
目的労務提供への対価業績還元、節税などの戦略目的

当社が考える、決算賞与を出す目的

社員への感謝・還元として

頑張ったことに対して成果を返す。これが何よりの意味です。
「この会社は成果をちゃんと見てくれる」と感じてもらうためにも、数字と向き合って出す賞与は有効です。

節税対策の一環として

事業年度内に支払ってもいいですし、条件を満たせば決算時に未払い賞与として損金計上することもでき、法人税の節税になります。
今なら賃上げ促進税制の適用もありますね。
ただし、「節税できるから出す」ではなく、あくまで数字を見て判断することが大切です。


決算賞与の「科目」も工夫のひとつ

ちなみに、当会計事務所では決算賞与を支出する際、販管費ではなく「特別損失」に計上するケースもあります。

本来は販管費(人件費)として計上するのが原則ですが、営業利益や経常利益に与えるインパクトを考慮し、利益の見え方を工夫するための方法です。

特別損失にすることで、

  • 営業利益・経常利益は高めに見せることができる
  • 金融機関など外部への数値上の評価が下がりにくくなる

という効果が見込めます。

もちろん、「今期業績が良かったため、特別に支出する賞与」というストーリーが成り立つことが前提ですが、金融機関との関係性を重視する経営者にとっては一つの選択肢です。


節税の前に「キャッシュ(現金)」が最優先

節税になるからと言って、現金がなければ意味がありません

当社では、毎月「月次決算書」を用いて、

  • 今月の利益は?
  • 今、預金はいくら?
  • 今後3ヶ月の資金繰りは?

という視点で、経営者と一緒に数字を確認しながら賞与の判断を行っています。
節税だけではなく、「会社に無理がないこと」が最も大事だと考えています。


まとめ

  • 決算賞与は、業績を社員に還元するひとつの方法。
  • ただし、資金繰りや利益とのバランスを見て慎重に判断する必要があります。
  • 当社では、毎月の数字を経営者と一緒に見ながら、無理のない決算賞与の判断をサポートしています。

次回は、「どれくらい出せばいい?利益の何%が目安?」というテーマで、実際の目安や考え方についてご紹介します。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。御社に合った賞与の考え方をご一緒に整理いたします。